墓石に刻めるのは、名前と日付、そしてせいぜい一行の言葉です。一人の人生は収まりません。墓石や記念プレートに小さなQRコードを加える家族が増えています。お参りに来た孫も、古い友人も、通りがかった人も、刻まれた文字以上にその人を知ることができます。

うまく作れば、静かで実用的な一工夫になります。気を配るべきことは2つ。20年後も開けるページと、石材店が読み取れる形で仕上げられるコードです。

コードで開けるもの

QRコードに入れられるWebアドレスは1つです。時間とともに内容を増やせて、伝えたいことをすべて載せられるページを1つ選びましょう。たとえば次のような内容です。

  • 追悼ページやお知らせのページ:短い生涯の紹介、弔辞、家族や友人からのメッセージ。
  • 写真アルバム:子どもの頃の写真、結婚式、大切にしていた庭。
  • 思い出の曲:葬儀で流した曲や、本人が歌ったり演奏したりした録音。
  • 家系図:後の世代が、家族の歴史の中でこの人がどこにいるのかを知れるように。

どれか1つを選ぶより、これらすべてにリンクした1つのページのほうがうまくいきます。訪れた人は一度スキャンし、あとは自分で見たいものを探せます。

ページが用意できたら、QRコード作成でコードを作ります。アドレスを貼り付けて、ファイルをダウンロードするだけです。コードはブラウザ内で作成され、無料で、登録も不要です。

ページと同じだけ長持ちするコード

当サイトで作るような静的なQRコードには、有効期限がありません。アドレスはパターンそのものに保存されていて、途中で停止されるようなサービスを挟みません。墓石にはこれが合っています。

ただし、コードは半分にすぎません。スキャンするたびに、何十年にもわたってそのアドレスにあるものが開きます。ページがなくなれば、墓石にはエラーにつながるコードが残ります。刻んだ後は変えられないので、ここがいちばんよく考えるべき点です。

追悼ページをどこに置くか決める前に、次のことを確認しましょう。

  • 誰が管理するか。 家族の一人がログイン情報を持ち、もう一人がその場所を知っておくようにします。
  • 誰が、いつまで費用を払うか。 カードの期限切れで有料プランが失効すると、ページも一緒に消えることがあります。
  • そのサービスは存続するか。 無料の追悼サイト、写真サービス、SNSのページは、生まれては消えていきます。アドレスも変わります。

いちばん安全なのは、yamada-ke.jp/obaachan のような家族で所有するドメインです。長期間で契約し、自動更新をオンにしておきましょう。中のページは後で別のサーバーに移せて、墓石のアドレスはそのままです。そこまでが難しければ、家族が払い続けて管理できる実績のあるサービスを選び、ログイン情報の保管場所を書き残してください。

短縮URL、一時的なファイル共有のリンク、長いトラッキング用の文字列が付いたアドレスは避けましょう。いちばん切れやすいものです。アドレスが短ければコードもシンプルになり、彫るのも読み取るのも簡単になります。

素材:彫刻、陶板、ホーロー

多くの石材店や記念品の製作業者は、QRコードを入れられます。作成ページからSVGファイルを渡してください。どのサイズでも鮮明なままです。主な方法は次のとおりです。

  • 石に彫刻:磨いた御影石に直接彫るか、レーザーで刻みます。黒御影石に明るい色を色入れした彫刻なら、コントラストが良くなります。灰色の石に色入れなしで彫ると、薄すぎて読み取れないことがあります。
  • 金属プレート:ステンレス、真鍮、ブロンズにエッチングや彫刻をし、石のくぼみにはめ込みます。丈夫ですが、鏡面の金属は日光を反射するので、ヘアラインや梨地仕上げのほうが確実に読み取れます。
  • 陶板やホーローのプレート:焼き付けたタイルを石材店が石にはめ込みます。陶板の写真プレートと同じ方法です。明るい地に濃い色のパターンが、長年くっきりと保たれます。

石材店の作業台に、ノミと並んでQRコード入りの陶板と彫刻された金属プレートが置かれている

風化について考えておきましょう。苔、地衣類、水あか、何十年もの日差しは、どれもコントラストを弱めます。明るい地に濃い色のドット、またははっきりした濃い地に明るい色入れを選び、コードの周りの無地の余白を残し、屋外でその素材がどう経年変化するかを石材店に尋ねてください。装飾的なスタイル、色、ロゴは避けましょう。シンプルな四角いパターンがいちばん摩耗に強いのです。

サイズと配置

印刷ガイドの目安では、コードの幅は読み取り距離の約10分の1です。お参りする人はたいてい墓石から50 cmほどのところに立つかしゃがむので、幅5 cmほどのコードが適切です。2 cmより小さくはしないでください。

スマートフォンを無理なく近づけられる場所に置きましょう。正面や台石に。背の高い墓石の上のほうや、落ち葉や水がたまる水平な面は避けてください。

まず家族と霊園・お寺に相談する

注文する前に、2つの話し合いをしましょう。

  • 家族と。 そもそもコードを付けるのか、ページに何を載せるのか、誰が管理するのかを一緒に決めます。墓石は伝統的なままがいいと考える親族もいるでしょう。その気持ちには丁寧に耳を傾けてください。
  • 霊園やお寺と。 墓石に加えられるものについて、素材やプレートの大きさ、場合によってはコード自体を認めるかどうかまで、決まりがあるところも少なくありません。霊園の管理事務所やお寺、あるいは地域の決まりに詳しいことの多い石材店に確認してください。

実物の試作でテストする

プレートを取り付ける前に、実際の素材と仕上げで試作品か見本を作ってもらいましょう。そのうえで次のことをします。

  1. 古い機種も含めた複数のスマートフォンで、できればiPhoneとAndroidの両方で読み取る。
  2. 屋外で、強い日差しの下と日陰の両方で、約50 cmの距離から試す。
  3. 正しいページが開き、モバイル回線でもすぐに表示されるかを確認する。

石材店に送る前に、ダウンロードしたファイルをQRコード読み取りで確認することもできます。

チェックリスト

  • 内容を増やせる追悼ページを1つ:生涯、写真、音楽、家系図
  • 家族が管理し、払い続けられる場所に。できれば自分たちのドメイン
  • 短縮URLや一時的なリンクは使わない
  • 家族の合意と、霊園・お寺の決まりを確認
  • 石材店にはSVG。シンプルなパターン、はっきりしたコントラスト、風雨に強い素材
  • 50 cmから読み取る墓石なら幅約5 cm、周りに十分な余白
  • 取り付ける前に、試作品を屋外で複数のスマートフォンでテスト